【2014 W杯】 W杯 Cグループ

本日は日本が所属するCグループ。下馬評でも。最も難解なグループとして挙げられているほど力が拮抗した組み合わせとなった。

Cグループ

• コロンビア (5)
• ギリシャ (13)
• コート・ジ・ボワール (24)
• 日本 (48)

※括弧内はFIFAランキング

混戦グループ

日本が属するCグループは、力が拮抗する混戦グループとなった。FIFAランキングがまったく指標にならない組といっていいだろう。

中でも頭一つ抜けているのが、南米予選を2位で勝ち抜けたコロンビア。ファルカオは残念ながら怪我の回復が間に合わず欠場となってしまったが、エース不在でもGLを勝ち抜く力は持っている。その穴は、バッカやマルティネスらが埋めるだろう。他にも、長友のチームメイトのグアリンや、長友がマッチアップするグアドラードらは馴染み深く、一部ではファルカオに並ぶ存在としてハメス・ロドリゲスの名が挙がるなど、選手層も厚い。持ち味は、プレッシングからの速攻。最終ラインまでひいて堅守というのが一般的だが、ある程度高い位置からプレスをかけ、相手に前を向かせない戦術で堅守なのがコロンビア。W杯前哨戦の親善試合ではセネガルに2-2と引き分けてしまったが、主力のコンディション調整というより、選手選定の意味合いが強かったためあまり参考にしない方がいいだろう。

ギリシャは、FIFAランキング13位にふさわしくないレベルと評価を下されているが、それは過小評価だ。欧州予選では、わずか１０試合で４失点。その内、クリーンシートが８試合という好内容。そしてW杯の前哨戦の親善試合でも、ポルトガルやナイジェリアにスコアレスドローの戦いを演じた。ポルトガルはクリスティーノ・ロナウド(CR7)を温存したが、ナニやヴィエイリーニャ、ポスティガなどは出場していており、そこで得点を許さなかったというのは、さすが堅守チームという評価に繋がる。攻撃では、ミトログルが中心となるが脅威というものではない。スペースがなければ、無力化にされる。

W杯GLで、日本の初戦となるコート・ジ・ボワール。通称・レゼレファンツ(象)。その名の通り、象のような突進力で相手ゴールに迫るというのが持ち味。ドログバドログバと騒がれてるが、核となる選手はマンチェスターシティのヤヤ・トゥーレだ。今季のプレミアリーグでも24ゴール12アシストと、ボランチでは驚異的な数字を残した。懐が深く細かいタッチのドリブルは奪いにくく、視野が広いのでラストパスも的確。シュートに至っては、ワンステップで強烈に放ち、コースも際すれすれを狙える。ディフェンスでサボるという欠点以外は、まさにほぼ完璧なフットボーラー。他の選手も個の能力が高く、前線にはジェルビーニョ、ボニー、カルーら快速自慢が集まり、アフリカン・フィジカルそのものを爆発させてくる。しかし、不安要素が監督にある。コート・ジ・ボワールの監督は、サブリ・ラムシという人だが、日本に馴染み深く、元日本代表・中田英寿のパルマ時代のチームメイトで、さらにインテル時代にはザッケローニの下でプレーしていた。この経歴から分かるように、監督としてはかなり若い。なんといっても、コート・ジ・ボワール代表が、初監督なのである。監督歴２年１チームで大舞台を経験していないというのは、他の３ヶ国からしたらつけ入る隙になる。W杯前の親善試合では、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦1-2で敗北、エルサルバドル戦は2-1で勝利した。

そして、我が国・日本代表。アルベルト・ザッケローニ監督が率いるチームは、アジア最終予選を最多得点、最多得失点差でW杯出場を決めた。ザッケローニは、イタリアの監督には珍しく、攻撃的な戦術をとる。ポゼッション重視で、細かなパスワークで相手を崩し、得点に結びつける。決定力不足ジャパンと云われた日本は、もう存在しない。守備にいたっては、課題が山積状態。高い位置でプレーすることが多いので、裏のスペースを突かれやすい。最後の仕上げでここを修正し、本番で意識しながらプレーできるかが鍵となる。戦績は、格下相手にとりこぼすことも珍しくなく、北朝鮮、ウズベキスタン、ヨルダン、セルビア、ベラルーシなどに敗北を喫している。ここを確実に勝ちきれるようになると、初めて欧州中堅と比肩しうる存在に並ぶだろう。W杯前の親善試合は、キプロス戦1-0、コスタリカ戦3-1と共に勝利している。

日本は、相性勝負

日本は、コート・ジ・ボワールとの相性がいい。果敢なプレスに弱いコート・ジ・ボワールは、日本がハードワークすれば、思うように攻撃させることはない。さしずめ、鎖につながれた象のようになる。キーマンは、長谷部や山口、大久保、長友といったハードワークができる選手。相手を執拗に追いかけてプレスすれば、象たちは必ず自滅してくれる。ここは勝ちと、予想したい。

逆に、ギリシャとは相性が悪い。最終ラインまで引かれたチームにはめっぽう弱いのが、日本だ。セルビアやベラルーシ戦のような事態にならないとは言い切れない。そこでキーマンになるのが、香川や大迫。狭いスペースでボールを持ち、侵入し、崩し、得点できるのは彼らの強みである。ここは、引き分け。

コロンビアとの相性は、少し悪い。南米勢には弱い日本代表だが、コロンビアはブラジルやアルゼンチンとは毛色が違い、そこまで苦手な部類とはいえない。ただ、コロンビアのプレスには苦戦するだろう。比較的ディフェンダー裏のスペースを狙いやすいので、キーマンになるのが、岡崎や柿谷。裏への飛び出しでコスタリカ戦３点目のような形で得点できれば善戦できるだろう。そのキーパスを出すのが、本田や遠藤になる。ここは負けが濃厚だが、展開次第では引き分けに持ち込める可能性もある。

結論

◎コロビア
〇日本
△ギリシャ
✕コート・ジ・ボワール

日本に限ってみれば、ギリシャが２戦目というのも運を味方にできるチャンス。ギリシャは、十中八九コロンビアに負ける。あとがなくなったギリシャは守備を緩め、前掛かりにならざるを得ない。GLならでは妙だが、崖っぷちのチームは、戦術が大きく変化することがある。守備のほつれを突くことができれば、日本がギリシャに勝ち、２勝でコロンビアとの対戦に向かうこともできるだろう。

第三者が予想しても、難解なグループ。当事国が入っているのでバイアスがかかってしまうのは仕方ないという言い訳を携えて、日本GL突破を最終予想としたい。希望的観測であるが、可能性がないことではない。全グループの中で、一番多くのまぎれが起き、それが不思議ではないと印象を受ける稀有なグループである。