ナルシスト禁煙法

もう２年半になります、タバコをやめてから。なんでやめたかっていうと、嗚咽です。オエオエしながら吸っていて、ふと疑問に思いました。「こんな思いまでして、なんで吸っているんだろう？」

思うやいなや即禁煙に入りました。たぶん人生２度目くらい。何箱か部屋にストックされてましたが、迷いは無かったです。最後の一本とか全然意識せず禁煙に入りました。が、やっぱり禁煙は辛いです。

禁煙一ヶ月くらいは、タバコと灰皿とライターを目の前において耐え忍んでいました。そうしてる自分が格好良いと思うんです。薬に頼らず、自分の根性のみで禁煙を押し通すのが格好いいと思ってるんです。○年禁煙してる。一本も吸ってない。と胸を張っていえるのが僕は格好良いと思ってるんです。そこで挫折し誘惑に負け吸ってしまうと「ダサいやつ」になってしまう。それが嫌だ。友人知人に薦められることもありました。「今日くらいいいじゃん」「一本だけ吸ってみたら？」それをことごとく断ってる自分が誇らしいんです。そういう自分が好きなんです。完全にナルシストです。本当に。

タバコの吸い始めを考えれば、悪ぶりたくて大人ぶりたくて格好いいと思って…でしたからね。最初の頃は美味しいなんて微塵も感じてませんでした。それが今タバコを吸ってても特に格好よく見えなくなりましたし。

今はもう見なくなりましたが、タバコを吸ってしまう夢を見てました。夢から覚めても罪悪感というか敗北感みたいのを感じてるんです。「なんで吸ってしまったんだろう…」ずっと積み上げてきたものが崩れる感じ。禁煙300日が禁煙1日目に戻る恐怖。取り返しのつかないリセット。時間を重ねるっていうことは、簡単なことじゃない。簡単じゃないことをやってる自分が格好良いと思ってたのに…。夢なんですけど、妙にリアリティがあって即座に気を取り戻せないんです。それが現実になると思うとゾッとします。

くれぐれも勘違いしないでほしいのが、たばこを吸う人が格好悪いって言ってるんじゃないんです。ただ物事を貫いてる人は格好良い、誇らしいことだなって思うだけなんです。それが自分のプラスに働くなら、ナルシストといわれようが何とも思いません。僕はナルシストの資質を持っていて良かったと堂々と胸を張っていえる。

禁煙って健康のためだったり、節約だったり、子供のためだったりすると思うんですが、僕の場合は端的にいうと「禁煙してる自分カッコいい！！」ですから、不純な動機だなーって思います。