僕らの森
この森は、小さい頃に友達とよく遊んだ森だ。
草をなぎ倒し、木の板を敷き、葉で屋根を作って基地としていた。「ここが俺の基地だ!」「ここは俺の陣地な!」などと馬鹿げたことを真剣に言っていた。
馬鹿げたことでも、当時の僕らにはそこが自分の居場所であり、自由を満喫できる空間だった。捕った昆虫を見せ合い、草にかぶれながら日が暮れるまで森を歩き回った。大人のいない場所。束縛のない世界。小さな小さな森が、僕らの全てだった。
そこにいると、なんでもできそうな気がして、色んなことをやってみた。「無理よ」「できっこない」と気を削ぐ言葉が飛び交わない世界で、僕らは本当になんだってできた。時には妄想で埋めながら、思う存分とことんやってみた。
いつしか成長し、社会や体裁などを意識するようになり、色々な障害が立ちふさがるようになる。したいことがあってもできず、やらなければならないことをこなす日々が当たり前になっていった。
そういう生活を続けるうちに「なんだってできる」が「どうせできない」に変わっていった。
したいことが出来ず、その痛みを忘れるために自分で逃げ口実をつけるようになった。ただ自分が楽になるために。
そして、できている人間を自分とは違うと決めつけ、できないことを正当化した。
「なんだってできる」と想いを抱いてる人を嘲笑し、非常識者扱いもさえするようになった。
できないことを常識とすることで、自分が傷つくのを避けた。
傷つかないから、幸福であると感じる。
でも、それは錯覚の幸福でしかない。
本当の幸福は「なんだってできる」を貫いた先にしかない。
自分の可能性を自ら摘み取るのはやめにしよう。
「なんだってできる」と力をくれた僕らの森に顔向けできるように。
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